詩歌いの井沢彩萌***私的アトランティス 


by ayamelody
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たまには日記。

父方の祖父が死んだ。
新幹線でいそいそ舞い戻った故郷の葬儀場。


こういうことがないと
親族に会うことなんて滅多にない。

しんみりした空気と和やかな表情が、
いつかみた安っぽい映画みたく
そんな自分の感覚も安っぽくて、嘘っぽいなと思う。

学生服の従姉妹たち。
いつの間にか大きくなっている。
16年が経ったのだ。
大人の事情はイロイロあっても
子供たちはみんな優しく、伸びやかで、慎ましい。
この時代に可愛く育ったものだわ。

単純に、お互いに。
わたしたちはちゃんと会いたかったんだ。
思わずハニハニ カミカミ。



菊やら百合やら
花の匂いでむせ返る畳の上。
裏返るお経の声。
痺れてゆくそれぞれの足の形。靴下の厚さ。

それらをぼんやりと見ながら
あたしはやはり物悲しくなって、
遠く。日本を感じていた。


この部屋で一番キレイなのは
隅っこのスコットの紫だ。

自分の魂
一人ひとりの魂の
それぞれ。
咲いていた場所に思いをはせる。



祖父は
ガイコツみたいに痩せちゃってさ。
だけど、眉毛は村山元首相みたいにフサフサでさ。
変なバランスだったな。

かくゆうあたしの心も
おかしなバランスだ。

祖父と過ごした日は、
なぜかよく思い出せないし。



人間よりも、植物と動物が愛おしくて、
ジャングルみたいな庭に、ガラクタみたいな家具を置いて。
大きな石の壷には水と苔と魚がいた。

包丁を握るのはペットのご飯をつくるとき。
バーナーに火をかけるのは技巧するとき。

大阪の町で
孤独を愛する歯科医だった。

体を焼いた後も
祖父の歯は奥歯まで立派に揃っていて
みんなで妙にうなずきあったのだ。


悲しくも
血は奇妙で不思議だ。

台本どおり、ここであたしは祈っている。

すべてが報われることを。

祖父の安らかな生活を。
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おじいちゃま
命をありがとう。
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by ayamelody | 2009-12-05 15:41 | off 私生活